こんにちは!池袋の女性弁護士,佐野直子です!
連休中は好天に恵まれましたね今日からまたがんばりましょう
本日は離婚後の子どもの戸籍についてお話をしたいと思います。
結婚に際して妻が夫の名字になった夫婦が離婚して妻が子どもの親権者となった場合を例にしてご説明したいと思います。
まず,妻は離婚するにあたり,離婚後の自分の名字を決める必要があります。
①結婚前の名字 ②夫と同じ苗字を離婚後も使用
①②いずれの場合もまず妻は夫を筆頭者とする戸籍から除かれます。
このとき子どもは夫を筆頭者とする戸籍に残ったままとなります。子どもの親権者が妻であっても,です。
親権者を妻と定めて離婚するだけでは子どもの名字は夫の名字のまま変わらず,子どもは夫の戸籍に残ったままとなってしまいますので,子どもの名字を変更して妻の新しい戸籍へ入籍させる手続が必要となります。
★まず,家庭裁判所に「子の氏の変更許可の申立て」を行います。
申立書と子並びに父又は母の現在の戸籍謄本をそろえ,子ども1人につき収入印紙800円と246円分の切手(東京家庭裁判所の例)を準備して,子どもの住所を管轄する裁判所に持参または郵送で提出します。
申立書は裁判所HP(http://www.courts.go.jp/vcms_lf/07m-konouzhi.pdf)からダウンロードすることができます。記載例もHPで見ることができます。
審理は原則として書面で行われ,早ければ申立当日に,そうでなくとも数日内に許可されます。
審理は原則として書面で行われる,と書きましたが,例外的場合には裁判官が直接関係者から事情を聞いた上で判断することがあります。
具体的には,例えば,先の例で子どもが妻と同居していないような場合には,子どもが妻の名字に変えることの必要性などを判断するために妻や子どもが裁判所へ呼び出され,直接裁判官に事情を説明することを求められる可能性があるかもしれません。
★子の氏の変更許可の審判が出たら,次は子どもについて妻の戸籍への入籍届を提出します。
子の氏の変更許可の審判書の謄本を持参して子どもの本籍地の役所又は妻の住所地の役所へ行き,入籍届を出します。
これで子どもは妻と同じ名字となり,妻と同じ戸籍に入ることになります。
男性からのご相談で,離婚後も子どもは自分の名字を名乗らせたい,妻の名字を名乗らせず自分の戸籍に置いておきたい,とのご質問をいただくことがあります。
この点につきましては,子どもの名字を変更しないとの合意を強制することは難しく,子の法定代理人,すなわち親権者が子どもと生活していく上で名字が異なることによる支障があると認められれば子どもの名字は変更されることになろうかと思います。
他にも,離婚後いったんは子どもを妻の名字にしたが再度夫の名字に戻したい場合や,妻が他の男性と結婚して更に別の名字になる場合,結婚前に生まれた子を認知した後に結婚して名字が変わった場合など,子どもの名字を変更する必要が生じる場合はいくつか考えられます。詳細はご相談ください。