こんにちは!池袋の女性弁護士佐野直子です!
先週末あたりから気温が下がって過ごしやすいですね!
今日は,ご家族で相続について話し合うタイミングについて考えたいと思います。
今日の日経新聞で「争族」にならないためにも早めに専門家へ相談するように,といった内容の記事が出ていました。
家族がいて,何らかの財産がある以上,相続は必ず発生する問題です。
記事では,遺言がないことも遺族間で争いが生じる一因であると紹介されていました。
元気なうちに遺言を残すということについては,近年受け入れられやすくなってきたのではないかと思います。
本屋さんに行っても自分で遺言を書くための指南本も多数目にします。
被相続人が自ら何らかの形で遺志がわかるものを残してくれると相続人もやりやすいですよね。
「お父さんが希望しているんだから」ということで相続人の気持ちも収まりやすいのではないかと思います。
(もちろん遺言などがあっても揉めてしまうケースはたくさんありますが・・・)
問題は,現在お父さん(以降,被相続人を「お父さん」と仮定して話をすすめます。)が遺言書など何も作ってくれていない場合です。
例えばAさん一家はお父さんとお母さん,お嫁に行った長女と離婚して実家に戻ってきた二女,海外に赴任している長男の5人家族であるとします。Aさん一家の財産は,お父さん名義の自宅土地建物,乗用車,預貯金があるとしましょう。
Aさん一家はとても仲が良かったので,お父さんは自分が亡くなっても相続で揉めるはずがない,と遺言等は作らず,今後作るつもりもありません。
このようなご家庭(相続で揉めそうにないご家庭)は大変多いのではないでしょうか。
普段仲が良いからこそ,お父さんが亡くなった場合の財産の話はしづらいものだと思います。
相続はお父さんが亡くなることが前提ですから,縁起が悪いし,今はまだまだ元気なお父さんに何だか申し訳ない気もします。
ただ,いざお父さんが亡くなったとき,例えばお母さんが認知症を発症していたら兄弟の誰が面倒をみるのか,お墓は誰が守るのか,自宅土地建物の名義は共有にするのか,後のお母さんの相続対策を合わせてしてしまうのか・・・決めなければいけないことがたくさんあります。
いざ事が起きたときに,3人兄弟が集まって話し合えればよいのですが,長女は夫の両親の介護と子どもの世話で余裕がないかもしれないし,長男はすぐに帰国できないかもしれません。二女も仕事が忙しくて,役所の開いている時間に動けないかもしれません。
相続には,相続放棄などタイムリミットがある制度もありますので,3人ようやく話ができたときには時既に遅し・・といったことが起こり得ます。
そう考えると,やはりお父さんが元気なうちに,家族全員が顔を合わせたタイミングで将来の話をしておくべきだと思います。
問題が生じてから専門家に相談すると,時間制限や費用の面で更に負担が生じてしまうことを考えても,お父さんが元気で,家族が円満なときに話合うのが一番です。決めるべきことは,まず,財産と呼べるもの全てを洗い出し,それを誰がどのような割合で割合で受け継ぐかということに尽きます。このとき,プラスの財産(貯金等)だけでなく,住宅ローンなどのマイナスの財産についてもどうするのか決めておくことを忘れないようにしてください。
なかなか言い出しにくいお話ですが,いったん家族全員が共通認識を得られるとより結束力が高まるのではないでしょうか。
財産の分け方は,相続人全員が合意してさえいれば,特に決まりや制限はありません。
こういうのってありなの?というご質問があれば,お気軽にご相談ください。
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